本堂は風の住処や彼岸寺
茂りへと風が風追ふひさご塚
ままならぬ足の殺生蟻を踏む
電線の陰踏み歩く炎暑かな
夏座敷庭を背にして坐る妻
書架に抜く古書の匂ひや半夏生
秋簾居酒屋昼を商へり
一人にも焼松茸といふ便利