悴みて繕ふ言葉継げぬ儘
いぬふぐり犬のふぐりとはしやぐ子ら
鶯の喉念入りの音合はせ
百韻の読みの惑ひにめかり時
引き潮にアンモナイトを探す夏
人知れず啼きし夜のあり雨蛙
頬杖の畳に跳ぬる蠅虎
語り部の背に三陸の青岬