将門の攻めし城山眠りけり
菰巻の松の向かうに三毳山
エッフェル塔くぐりて来たり雀の子
裕次郎忌じやがいもの花海に果つ
梅雨晴間佛足石に雲うつる
秋澄むや寿貞の話しなどをして
しもつかれ煮込む大釜真砂女の忌
芦焼の火屑飛び来る遊水地
かたかごや朽葉をくぐる水の音
燕来る正造生家のゐざり機
夜流しの男艶めく風の盆
巨峰売る眞田父子の別れ塚
円仁の母恋ふ像や紅葉初む
生きねばと点滴棒押す今朝の秋
逝き方をあれこれ想ふ秋の空