神宿る榊をぬらす能登しぐれ
饗のこと膳に打ちたる火打石
鈴鳴らし鈴をこぼして跳人行く
中天に半月かかるねぶたの夜
冬近し窯にかけたる火掻棒
魯山人ゆかりの茶室鵙の声
百畳に余る大凧風摑む
大凧の引き綱よぎる雨降山
崩るるもすつくと立つも破れ蓮
石鎚山の風を背に受け秋遍路
据ゑられて天を貫く御柱
御柱果てて闇夜の深まれり
夕映えにかがよふ月山冬隣
日蓮の望郷の山鳥渡る
月照らす縄文の森青葉木菟
中島八起なかじまやおき
中島八起なかじまやおき
◆略歴 平成9年仕事で付き合いのあった伊藤伊那男の勧めで「春耕」入会。市ヶ谷句会で棚山波朗の指導を受け、俳句に目覚める。佐原吟行の折高木良多の謦咳に触れ、以降親しく直接のご指導をいただく。平成15年同人。俳人協会会員。平成29年句集『青葉木菟』。 →出版物案内