窯よりも高く薪積み冬支度 永江としこ
四国霊場一番さんへ初詣 (霊山寺) 西村晶子
手綱引く鵜匠のまなこ闇に燃ゆ 布谷洋子
富士新雪黙して姉を見しことも 沼 康子
木の実落つ過ぎて知りたる事ばかり 野村雅子
閼伽桶の水底に見る鰯雲 祢津あきら
送り火の尽きて闇夜の深まりぬ 根本孝子
夕やみに星こぼしけり石蕗の花 野口栄子
枯菊の残るかをりも焚きにけり 野尻瑞枝