10月8日(土)の定例句会を青梅吟行とした。JR青梅線青梅駅に午前十時集合。会員の十二名が集まる。小雨の中、幹事の杉原功一郎さんの案内で、最初の目的地である金剛寺へと向かう。旧青梅街道をゆっくり西へ十五分程行くと寺へ到着。山門を入ると本堂の前に、平安時代に活躍した平将門の伝説を持つ「青梅」の樹がある。この梅は、季節が過ぎても黄熟せず落果まで青いため、「青梅」と言われ、青梅の地名もこれに因んでつけられたとされている。この日も樹に青い実が残っているのを目撃した。境内はよく整備され池があり、その縁には石蕗の花が咲き始めていた。色鮮やかな鯉が悠々と身をかわし泳ぎ回っている。遣り水の流れに秋を感じながら佇む。雨の雨の中の吟行ではあったが、句材は豊富で十分楽しめた。

青梅

青梅

 寺を後にしてしばらく坂道を下ると、渓流の音と共に大橋が見えてきて、次の吟行地となる釜の淵公園に出る。この公園は、多摩川が大きく湾曲する部分にある。園内には青梅市郷土博物館、旧宮崎家住宅などがあり、青梅市の歴史を知ることが出来る。また、広々とした林の中を散策することも出来、人々の憩いの場ともなっている。
 郷土博物館には、旧石器時代からの石器、農具、書画など、時代ごとに貴重な品々が展示されている。旧宮崎家住宅は、古民家で昔の農家の生活を思い出させてくれる。その縁側で、柿の実る庭やその先の雨に烟る川辺などを眺め、句作した。

 園に隣接する釜の淵市民館で句会を始める頃には雨も止み、空も明るくなってきた。投句、選句、披講の後、句会を指導される生江通子先生から一句一句について講評を頂き、吟行句会は終了した。雨の日の吟行もまた良きかなと改めて実感した。(報告 鈴木幾子)

当日句より
天水にはねる雨音冬近し通子
青梅てふ由緒の梅や秋深し八起
遣り水の音なき流れ初もみぢ功一郎
豆柿の尻に雨粒すべり落つ正子
野仏の野菊の供花や雨しきり裕 
古民家の柱の艶や柿熟るる喜子
鮮やかな鯉の回遊水澄めり瑞枝
遣り水の音密やかに石蕗の花了三
秋深し山並み迫る古き町和敏
秋時雨やり過ごしけり茅庇清美
落鮎の影吸ひ込みし水の色かよ
古民家の低き框や昼ちちろ幾子