避難袋未だ解かずに夏逝けり 古市文子
惜命の文字やはらかき寒燈下 古郡瑛子
炎天をきて護摩の火へかしこまる 堀井より子
鬼城忌や乱るる萩の束ねられ 堀越純
戒壇に和上の国の黄砂積む 本郷民男
清明や父知る人と語りたり 本間まり
一管の闇裂く島の薪能 本間ヱミ子
一湾の泊船照らす盆の月 本間みつえ