奉る一灯もまた秋の灯に 武田禪次
ひとつばたご風待ち港の花明り 武田孝子
まくなぎが邪魔かまくなぎの邪魔か 田中里香
赤蜻蛉杭を離れてまた杭に 田中せつ子
去年今年首にかけたる聴診器 田中信夫
閻魔参り地獄絵赤のうとましき 田中よしとも
爽やかに白寿の笑みに送らるる 田野倉和代
曳き舟の水脈の煌めく瀞の春 田村富子
春満月地震の街並照らしけり 舘岡靖子
竹の皮脱ぐ音闇を深くせり 塚本清
百年の笑まひくづさず母の雛 塚本照子
千年の杉の秀照らす望の月 塚本弘満