雪形の駒へ朝の校歌かな 連翹のひかりの端を出棺す 調律の窓の高さに花水木 飛ぶときは声を弾みの雀の子 石仏も垣のひとつに竹の秋 砂時計日永の砂をまた落とす 病み抜けし目に十薬のなつかしき 故郷の罌粟は坊主に山雨急 鵙の晴 …
寒の月揚げて一村慎ましき 萩原まさこ
新樹光フォークダンスの輪の中に 伯井茂
御僧の衣ふくらむ涅槃西風 橋本公枝
まとひつく今日の疲れや新茶汲む 橋本速子
真ん中の窪みし硯洗ひけり 長谷川雅男
風光るみささぎの空朱鷺の舞ふ 橋本勝
馬が眼に雪張りつけて立ち眠る 畑中とほる
茶が咲ける此処が北限風渡る 花里洋子
草よりも低き火走る野焼かな 濱中和敏
にぎりめし雀と分かつ原爆忌 林あきの
雪囲されて御座する鷹山公 原田みる