2020年2月(通算487号)
曾良を尋ねて(126) 2020年2月号
2020年2月1日 曾良を尋ねて
念願の芭蕉の墓参を済ませた曾良は急遽長島へ向かった。長島では藩主松平忠充の乱心により芭蕉や曾良とも親交が深かった家老藤田八郎左衛門と家臣が切腹させられた。この件により松平家は没収となり、藩の記録は四散し松平家の分限帳も残っていないと言う。曾良の無念は計り知れないものだったであろう。
自由時間 (80)2020年2月号
2020年2月1日 自由時間
地球クライシス/水の都ベネチアが、暴風雨と高潮に襲われ、その8割以上が水に浸かった。サン・マルコ広場には膝上まで水が押し寄せ、サン・マルコ大聖堂の正面テラスに立つ4頭の馬の銅像が、プールのようになった広場を茫然と見下ろしていた。
古典に学ぶ (79)万葉集の魅力 (7)2020年2月号
2020年2月1日 古典に学ぶ
「梅花の宴」の最後に位置するのは、小野氏淡理(おのうぢのたもり)の、「霞たつ長き春日をかざせれどいやなつかしき梅の花かも」という締めくくりの意味を持つ歌である。
はいかい漫遊漫歩(128)(129)2020年2月号
2020年2月1日 はいかい漫遊漫歩
「ホトトギスの4S」(水原秋櫻子、高野素十、阿波野青畝、山口誓子)に名を連ねていた山口誓子も、水原秋櫻子の後を追って「ホトトギス」を離れ、秋櫻子の「馬酔木」に加入する。 風物を叙情性豊かに詠む秋櫻子、都会的な素材を取り込み、知的、即物的な詠句を次々に発表する誓子の作句活動は、「ホトトギス」一色だった俳壇に新風を吹き込むことになった。「天の川」「土上」「句と評論」などの俳誌に拠る若手俳人たちの共感を呼び、俳句の近代化への動きが湧き上がる。 西東三鬼は書く。〈 新興俳句人の生活感情は散文精神であり、之に対蹠的に伝統俳句を弄ぶ人々の生活感情は韻文精神である。〉
韓の俳諧(12)2020年2月号
2020年2月1日 韓の俳諧
点取りを愉しむ人々 明治21年9月発行の俳諧鴨東新誌に、3名の韓半島の俳人の投句が載っている。なかでも塘雨は、月並み点数表で全国3位の成績で、他にも15位に五兮と山翠が入っている。韓半島で初代の点取王であった塘雨は、もともと対馬の人で、後に故郷の対馬へ帰ったのだと思われる。