春耕俳句会は、有季定型の俳句と和楽の心で自然と人間の中に新しい美を探求します。第五感・第六感を働かせた俳句作りを心がけます。
連載記事 - 月刊俳句雑誌「春耕」掲載

自由時間

自由時間 (85) 2020年7月号

いま、アルベール・カミュの『ペスト』が読まれている。ペスト菌を新型コロナウイルスに置き換えると、世界各地の現状を描写したかと錯覚するほどだ。明けても暮れても新型コロナウイルスのニュースがあふれている今、思い出した作品がある。トーマス・マンの『ヴェニスに死す』である。『ヴェニスに死す』に登場する疫病はコレラである。

自由時間 (84) 2020年6月号

古今和歌集は60代醍醐天皇(在位:897~930)の詔により撰ばれた最初の勅撰和歌集である。古今集には、仮名で書かれた〈仮名序〉と漢文で書かれた〈真名序〉の二つの序文がある。仮名序を書いたのは紀貫之である。花に鳴く鶯や水に棲む蛙の声を聞けば、生きとし生けるもの、すべて歌を詠むと言える。力を入れずに天地を動かし、目に見えぬ鬼・神をも感じさせ、男女の仲をも和らげ、猛々しい武士の心をも慰めるのは、和歌である。

自由時間 (83) 2020年5月号

新型コロナウイルス(以下CVと略す)はどのようなウイルスか。2002年に発生したSARSを引き起こしたコロナウイルスの弟である。どちらもコウモリが宿主であるらしい。違うのは感染力で、SARSは発症した人からしか伝染しなかったが、CVは発症していない人からでも伝染するという厄介な病気だ。それが感染拡大をもたらしている。

自由時間 (82) 2020年4月号

酸素の話、われわれは生まれたときから、特に意識をすることなく自然に呼吸をしている。意識するのは、緊張をほぐすときにする深呼吸くらい。休むことなく、眠っていても、酸素を吸って二酸化炭素を吐きだしている。地球が生まれたのは46億年前であるが、その前半生には酸素はほとんどなかった。

自由時間 (81) 2020年3月号

ポーランドにあるアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所跡で、解放75周年追悼式典が行われた。あの象徴的な入口、下を線路が通る監視塔をすっぽり包むテントが張られた式場には各国首脳とホロコーストからの生存者200名が並んでいた。全員、収容されていたときの囚人服と同じ、青と白のストライプのスカーフを首に巻いて。

自由時間 (80)2020年2月号

地球クライシス/水の都ベネチアが、暴風雨と高潮に襲われ、その8割以上が水に浸かった。サン・マルコ広場には膝上まで水が押し寄せ、サン・マルコ大聖堂の正面テラスに立つ4頭の馬の銅像が、プールのようになった広場を茫然と見下ろしていた。

自由時間 (79) 2020年1月号

禍福は糾える縄の如し。回顧 2019年。

自由時間 (78) 2019年12月号

2019年10月31日、首里城の正殿ほかの主要建物が焼失した。御庭(うなー)と呼ばれる縞模様の美しい中庭を囲む建物があらかた灰燼に帰した。正殿の焼け跡前に、石造りの阿形・吽形の大龍柱が焼け残って立っているのが哀しい。

自由時間 (77) 2019年11月号

初代吉右衛門は、趣味に俳句、弓道、書、小唄などをたしなんだ。いずれも玄人はだしである。「秀山」とは初代吉右衛門の俳名である。小宮豊隆の「中村吉右衛門論」その冒頭で「文壇で会つて見たいと思ふ人は1人も居らぬ。役者の中では会つて見たいと思ふ人がたつた1人ある。会つて見たら色々の事情から多くの場合失望に終はるかも知れぬ。夫にも拘らず藝の力を通して人を牽き付けて止まぬ者は此の唯一人である。此唯一人とは云ふ迄もない、中村吉右衛門である」

自由時間 (76) 2019年10月号

イギリスのイタドリは、竹のように、どこででも旺盛に成長したので庭師が好んで植え、やがて全国に広がって野生化した。イタドリ(虎杖)は「日本の節のある雑草」という意味である。又アメリカの葛、葛が初めて日本からアメリカの地にわたり、ニューオーリンズで開催された国際博覧会の庭園に使われポーチの日除け、牛の餌、斜面の土砂崩れや砂嵐の防止のため植えられるようになった。葛がどういう害をもたらすか。森林では、木々が梢まで覆われて立ち枯れになっている。葛は、最初は緑化に役立つ被覆植物とされていたのが、今では、ただの雑草に分類されあわれ「有害雑草」に分類されている。日本では攻撃的ではないイタドリと葛が、違う気候風土・環境に置かれると脅威となる怖さ・不思議さを知る。

自由時間 (75) 2019年9月号

ニューヨークの高級フレンチ・レストラン「ブーレイ(Bouley)」が、2017年7月末休業に入った。オーナー・シェフであるデイヴィッド・ブーレイが、体に良い日本の食材を深く勉強するためである。テーマは「発酵食品」。那覇市 糸満市 名護市を訪問、彼らの長寿の秘訣は食にあり「健康と風味との関係は同じところにある」ということを再確認する。ブーレイは、免疫力を高める微生物=植物性乳酸菌の働きに注目し伊那市の天然寒天、木曾の開田高原植物性乳酸菌で発酵させて作る漬物、金沢市の味噌作り、七尾市の生醬油作りなどを熱心に学ぶ。

自由時間 (74) 2019年8月号

ハンセン病は、らい菌が主に皮膚と神経を侵す慢性の感染症である。らい菌が発見されたのは、1873年のことである。発見したのはノルウェーの医師アルマウェル・ハンセン。病名は彼の名に由来する。2001年の患者・元患者の損害補償に続き、7月に家族の損害補償の勝訴が確定した。ハンセン病の俳人村越化石は優れた句を残した。

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