春耕俳句会は、有季定型の俳句と和楽の心で自然と人間の中に新しい美を探求します。第五感・第六感を働かせた俳句作りを心がけます。
連載記事 - 月刊俳句雑誌「春耕」掲載

韓の俳諧

韓の俳諧(18)2020年8月号

日清戦争を題材とする俳句は、さいたま市の指扇氷川神社に、「従軍賀章」という題の明治26年(1893)の俳額にある。『俳諧山吹叢誌』にも多数あるが、大部分が戦争を体験していない机上の俳句だ。しかし、大供太郎の陸軍少佐が父母庵雪山の配合で「國廼光」として投稿した句は、実戦を元としている。子規は日清戦争に従軍したが、すぐに終戦となりかえって病を悪化させて帰国した。そこで漱石の下宿に厄介になり、新聞に「俳諧大要」を連載した。

韓の俳諧(17)2020年7月号

韓の俳人が多数投句していた『俳諧鴨東新誌』は、市川一男によれば内容が貧弱で、懸賞俳句や聴秋の自己宣伝などを載せた粗末な冊子であるとされ、三森幹雄が『俳諧矯風雑誌』を創刊し、俳壇の体質を矯正しようとしたと論じている。京都の新興宗匠の上田聴秋と『俳諧鴨東新誌』を討ち果たすために、『俳諧矯風雑誌』という刺客を差し向けたような市川の論調だ。しかし、『俳諧矯風雑誌』は3年で廃刊となり、『俳諧鴨東新誌』は刺客をものともしなかった。

韓の俳諧(16)2020年6月号

俳諧の大衆化に伴い、句合せが闘句に変化していった。俳諧鴨東新誌にも番付を着けた闘句が掲載され、朝鮮半島の俳人も応募した。闘句は、優劣がつけがたいと行事預かりもあった。

韓の俳諧(15)2020年5月号

明治26年(1893)芭蕉二百回忌にあたり、東京深川に芭蕉神社が建立された。一方、京都の東福寺には芭蕉の句碑が建立され、韓の俳人も出資した。俳諧鴨東新誌』96号に建碑義捐の出資者が書かれていて、朝鮮元山 比田勝春湖、同 大塚蒲帆の名がある。春湖は、同誌に21句掲載されたことがある。

韓の俳諧(14)2020年4月号

居留民の詠んだ俳句 京都の俳句雑誌『俳諧鴨東新誌』に明治中頃、朝鮮からの投句が多く寄せられている。例えば当時、元山(ウォンサン)には数百人規模の日本人が住んでおり、狭い居留地に住みつつ、それなりの俳句を詠んでいたように思われる。

韓の俳諧(13)2020年3月号

─ 飛び石が橋に ─ 本記事9回を読んで、岡部良一氏から3句の読解に教示をいただいた。岡部氏からそれらの句は、図書館で筆写せずとも、国文学研究資料館の新日本古典籍総合データベースで読めるとも教えていただいた。さらに、東京大学史料編纂所の「電子くずし字字典データベース」やスマートフォンの活用、有料だが、凸版印刷の「高精度ОCR全文テキスト化サービス」を使用すると、古典籍を機械が読み取って解読し、活字のテキストが得られる。古い俳諧資料のは多々あり、それらの解読に有力だ。本記事9回が跳び石となり、橋がが架けられた。

韓の俳諧(12)2020年2月号

点取りを愉しむ人々 明治21年9月発行の俳諧鴨東新誌に、3名の韓半島の俳人の投句が載っている。なかでも塘雨は、月並み点数表で全国3位の成績で、他にも15位に五兮と山翠が入っている。韓半島で初代の点取王であった塘雨は、もともと対馬の人で、後に故郷の対馬へ帰ったのだと思われる。

韓の俳諧(11)2020年1月号

韓の居住者による開始 明治13年にウォンサン、16年にインチョンに日本人居留地が作られ、上田聴秋の主宰していた俳諧鴨東新(明治21年発刊)に居留地からの投句が多く残されている。

韓の俳諧(10)2019年12月号

海外詠の先駆者 海外へ旅行あるいは居住して詠んだ俳句(海外詠)の先駆者として普通に認められているのは、万延元年の遣米使節団の加藤素毛だが、より早く釜山に滞在した対馬藩士松村弥平太の句が残されている。加藤素毛は、支考が芭蕉を祖として立てた美濃派の獅子門の俳諧をたしなみ、俳誌 獅子吼は今に繋がっている。

韓の俳諧(9)2019年11月号

韓の発句を掘り出す。 白川芝山が、初編から5編までの5冊を刊行した『四海句双紙』や、桑名藩士の駒井乗邨が残した『鶯宿雑記』に、韓の人の発句が載っている。しかし、『四海句双紙』は見せてもらうのも大変である。乗邨は、松平定信の用人であり俳人でもあった。

韓の俳諧(8)2019年10月号

韓の俳諧 朝鮮国通事の俳句(補遺) 朝鮮国通事の俳句研究に、2018年韓国安修賢氏の進んだ研究論文が発表された。日本では、岡部良一氏の朴徳源の研究がある。

韓の俳諧(7)2019年9月号

江戸まで来た朝鮮通信使の他に、多数の朝鮮渡海訳官使が江戸時代に対馬までやって来ていた。近年、朝鮮渡海訳官使の研究が進み、歴史の書き直しが必要とされる。対馬だけでなく、香川県観音寺市の興昌寺でも、訳官使朴徳源の詠んだ俳句と和歌の貼りつけられたはりまぜ屏風が発見された。

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