春耕俳句会は、有季定型の俳句と和楽の心で自然と人間の中に新しい美を探求します。第五感・第六感を働かせた俳句作りを心がけます。
連載記事 - 月刊俳句雑誌「春耕」掲載

韓の俳諧

韓の俳諧(43)2022年9月号

『朝鮮公論』俳壇選者の青木静軒は、広い交友があった。大正4年(1915)の正月を病院で迎えた静軒に年賀・見舞状が寄せられ、来訪者もいた。列挙すると、近代幕開けの俳文学者佐々醒雪、尾崎紅葉門の四天王といわれた小説家柳川春葉、秋声会の俳人川村黄雨、画家沢山寛民、児童文学者・俳人巖谷小波、俳人出口叱牛。秋声会の俳人で、『俳諧』を刊行をした鵜沢四丁。鉱山を経営し、京城に長く住んだ俳人江口虎耳。韓半島で鉄道の仕事をしていた俳人三好不考郎。植民地支配の国策会社の社員野田大塊。さらに朝鮮総督府病院長や京城医専校長なども兼任し、医学の頂点にいた陸軍軍医総監の芳賀榮(東山)や、京城日報の編集長で、半島の俳壇に重きをなした松尾茂吉(目池)が見舞いに来た。

韓の俳諧(42)2022年8月号

雑誌『朝鮮公論』俳壇選者は青木静軒だが、何の病気かわからないが、しばしば入院して他の選者代評もあった。中でも今村螺炎は、地方の警察官から身を起こし、最後は李王職庶務課長まで至った川柳と俳句では半島きっての多作作家で、退官後は民俗学者・歴史家として名を残した。大正3年8月号に「朝鮮俳句奨励会第一回募集俳句発表」として、今村螺炎・隣雪庵千春・蟻生芙蓉・小谷丹葉・花儒園と、五人の選者が記載されているが、螺炎以外は、資料に出てこない。

韓の俳諧(41)2022年7月号

『朝鮮公論』6月号に「公論俳壇新設」として課題句を募集し、7月号に最初の募集俳句が掲載された。賞品がでるのに、住所や氏名を書かずに投句する人もいた。また、7月号には選者の青木静軒と、ソウル在住人物の旅行吟が載っている。

韓の俳諧(40)2022年6月号

大正2年4月創刊の朝鮮公論は、東京の発行だが京城に総支社があった。俳句や和歌の投書も募られ、文芸誌の性格も持っていた。創刊2か月後の大正2年6月号には俳句が64句掲載された。しかし、大正3年5月号から青木静軒の独演会の様相を呈してきた。

韓の俳諧(39)2022年5月号

明治以後の外国人による俳句は、誰が早かった許敬震(ホギョジン)氏の研究を参照すると、李米吉(イミギル)、林玉星(イムオクソン)の二名があげられるが、さらに京城日報』の、 「平壌オンドル会詠草」に文而玉(ムンイオク)の句が多く載っている。これら三名が韓国人かどうかの真相は不明である。

韓の俳諧(38)2022年4月号

鏡城南門外の田村小重郎(風見坊玉龍)が編集兼発行者した『蕉禅世界』は、韓半島の東北の拠点に進出した日本人の俳誌だった。雑詠欄には、長野からの投句もあったが、主に、韓半島の俳人が投句し、上位には、色紙や短冊が贈られた。

韓の俳諧(37)2022年3月号

『蕉禅世界』2月号の続き。主宰ではない判者の第二雑詠と云うべき欄がある。主評、風見坊玉龍に対し、月番の客評を眞風舍乙年女が行っている。乙年女は、眞風舍桑月の二代目と思われる。投句者の住所を見ると、発行地の鏡城と同じ咸鏡北道が多数を占めていて、韓半島の東北端に多数の俳人がいたことが判る。

韓の俳諧(36)2022年2月号

俳句雑誌『蕉禅世界』2月号に「紅雨紀行四」という風見坊玉龍の、今の北朝鮮と中国との国境の紀行文が載っている。玉龍の他3名が国境に聳える海抜2744㍍の白頭山から東に流れる豆満江(トゥマンガン)上流の農事洞(ノンサドン)手前で、焚火をして夕食を作り一夜を明かすところから始まる。朝鮮書家として名ある池昌翰との交流も書かれている。

韓の俳諧(35)2022年1月号

大正4年(1915)の俳句雑誌『蕉禅世界』2月号に、「子規は新派に非ず我流也」という論説が載っている。著者は其角堂主人。其角堂の号と庵を継いだ田辺機一は、三囲神社内其角堂に住み、子規もライバルと認める俳句の指導者だった。蕉風を、初期・中期・末期に分け、子規は初期と中期に従い、機一は末期(完成期)の蕉風に従っているとした。機一は子規の早逝をいたんだ。

韓の俳諧(34)2021年12月号

大正3年1月韓半島北部で発行された俳句雑誌『蕉禅世界』がある。鎌倉の建長寺に湖磨が建てた「蕉禅俳諧五哲記念碑」があり、五哲の中の風見坊玉龍が『蕉禅世界』主宰の田村小重郎だ。

韓の俳諧(33)2021年11月号

京城在住の俳人たちが、五の日十の日に集まり句会を開いていた。自由律俳句が盛んだった。中村烏堂が『五の日十の日』という俳誌を発行したようだが残存していないようだ。句会の内容は、雑誌『朝鮮及び満州』に残されている。

韓の俳諧(32)2021年10月号

明治41年創刊の雑誌「朝鮮」に、募集俳句の欄があった。京城の牛人や目池を中心としたオンドル会同人が選句にあたり、10日締切り翌月1日発行という速さであった。入選者の居所と本名も記載され、貴重な資料である。

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