春耕俳句会は、有季定型の俳句と和楽の心で自然と人間の中に新しい美を探求します。第五感・第六感を働かせた俳句作りを心がけます。
連載記事 - 月刊俳句雑誌「春耕」掲載

韓の俳諧

韓の俳諧(61)2024年3月号

『朝鮮公論』では7月号から小作文・短歌・長詩・俳句の上位三人に、賞金を贈呈する制度を始めた。大正15年7月号の臼田亞浪選俳壇では、三等 庄司鶴仙、二等 西村公鳳、一等 堤玆歛であった。庄司鶴仙は、石楠京城支部の創設者。西村公鳳は、その後鶴仙に代わり石楠京城支部の中心となったが、戦後金沢に引き上げ「風」に参加した。堤玆歛は石楠の人という以外はわからない。

韓の俳諧(60)2024年2月号

雑誌『石楠』1925年12月号 山火鈔(幹部同人雑詠)には福永巨明が、秋光鈔(会員雑詠)には横山柯子、大橋華垣らの句が掲載された。また石楠京城支社の句会報も掲載された。中に、京城で俳句を始め『石楠』に入った今西舟芳がいる。舟芳は光州へ移住後河鹿吟社に加入し、木浦に移り『カリタゴ』の会員となった。辺境の俳人は流派を選ぶといった贅沢ができず、近くの結社に属した。

韓の俳諧(59)2024年1月号

臼田亞浪は朝鮮公論の俳壇の選者を1925年7月号から務めるが、亞浪が2か月出雲に旅に出たため、その次は10月号に亞浪選が掲載された。また、石楠の京城支部も出来、句会の互選句も同号に掲載された。韓国内の学校を卒業した俳人も出て来た時代であった。

韓の俳諧(58)2023年12月号

『石楠』の臼田亞浪が『朝鮮公論』の俳壇の選者を、1925年7月号から担当したが、当時の『石楠』の雑詠欄に韓半島から、筒井樹九路と相澤草水の2名が投句していた。また京城に移住した庄司鶴仙が、京城に『石楠』の支部を作ることになった。

韓の俳諧(57)2023年11月号

雑誌『朝鮮公論』の俳壇は、青木静軒が選者をしていた時には安定していたが、その後は選者が頻繁に代わったり、休載となったりした。1925年7月号から、突然に臼田亞浪選となった。これにより、韓半島に『石楠』の俳人が増え、支部もできた。韓国の俳壇史においても、『石楠』の歴史においてもこれは無視すべきではない。

韓の俳諧(56)2023年10月号

草城が雑誌『朝鮮及満洲』の次に熱心に投稿したのが、福岡で創刊された『天の川』で、2号(8月号)に草城の句、4号(10月号)に父静山の句と併せて掲載されている。また、ホトトギスの1918年10月号「地方俳句界」にも、この父子らの句が載っている。

韓の俳諧(55)2023年9月号

京城中学校5年生の夏休みから日野草城は、俳句を始めた。父の静山や新田如水といった鉄道局の俳句グループ、くれなゐ会に草城も加わった。 くれなゐ会の句稿は、前田普羅へ送られ選評を受けていた。草城は、楠目橙黄子が指導する句会にも出ていたが、橙黄子が俳号を父の静山にちなみ、太古はどうかと言ったが、自分で草城と号した。

韓の俳諧(54)2023年8月号

1917年の夏休みに、草城は父の任地である淸津(チョンジン)へ帰省し、父の職場鉄道局の、木の芽会という句会に加わって、俳句を始めた。木の芽会はホトトギスの久世車春の指導を受けていた。木の芽会には、新田如水(職場の所長かつ俳句のリーダー)、久世車春は鉄道局の指定商人であった。

韓の俳諧(53)2023年7月号

1915年の一時期『飛行少年』や『日本少年』などの少年雑誌に中学時代の日野草城の和歌が載っている。草城は、『新少年』に詩を投稿したと思われるが草城の詩は見つからない。

韓の俳諧(52)2023年6月号

日野草城が京城中学校に入学した1913年に、スパルタ教育の柴崎鉄吉が、校長として着任した。長身だが、痩せてひ弱な草城は苦労した。

韓の俳諧(51)2023年5月号

日野草城は1913年京城中学校へ入学した。この学校は廃宮となった光海君建立の慶熙宮跡の西側部分へ開校した。京城中学校教員の土井が発見した、白菫(南山スミレ)を読み込み、慶熙宮ことに崇政殿の荒廃を表現した草城の句がある。

韓の俳諧(50)2023年4月号

1907年反日運動の激化で、二学期から堺市に避難した日野草城は、1年もしない内に、京城へ戻り西部の居留民のために、南大門と呼ばれる崇禮門近くの、分教場(後の居留民団立第二尋常小学校)に転入した。当時の担任は草城について、学徳に優れるのみならず、上品で貴公子の相を備えていたと書いている。草城は総代として卒業証書を受け取った。

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