「俳句文法」入門 (59)
─── 日本語の終止形はウ段音 ─── 大林明彦
ミスを正して説明してくれとの要請があり、句会報から例を挙げます。傍点が誤り。「秋風をまとゐ」これは「まとひ」が正。「癒へにけり」→「癒えにけり」終止形は癒ゆ(ヤ行下二段活用)。「見へ隠れ」→「見え隠れ」が正。終止形は見ゆ(ヤ行下二段活用)。「飛び越へる」→「飛び越える」(口語表現でヤ行下一段活用)。文語文法表現ならば飛び越ゆるが正。日本語ではラ変動詞以外は全て「ウ段音」で言い切ります。うくすつぬふむゆるう。これを忘れぬこと。「まとふ」「癒ゆ」「見ゆ」「越ゆ」が文語の終止形。全てウ段音。
ラ変動詞(ラ行変格活用)のみイ段音で言い切ります。普通「あり」「をり」「はべり」「いまそがり」の四語とされますが、複合動詞で「さり」「かかり」「しかり」等があります。口語の「ある」は五段活用。
今回はリクエストがあり、それに応ずる形で少し書きました。質問は大歓迎です。しかし文法は自学自習が基本です。学校でも文法は一寸やるだけです。手を抜く教師もいます。文法とは詩歌を詠む上でのルールです。知るだけ知れば可。殆ど無限。独学の習慣形成が必要。人に聞く事はもっと必要です。良き辞書も。
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