梅雨明けの剝製の鷹飛ぶ構へ
聞耳を立つれば確かにいにい蟬
蟬の声弱まるごとに道細る
一幕の切出しのごと雲の峰
風紋の渦の要に浜昼顔
流木を岩へ押し上ぐ土用波
艪も舵もなき揚げ舟に大西日
人気なきところは切に走馬燈
いつものものいつもの市で盆用意
流れ着くもの裏返る盆の浜
生きものの影の失せたる旱川
朽ち舟の金具錆びつく夏の果て
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