残暑なほ動かぬものの前後ろ
漁火に無月の岩の獣めく
虫鳴くや有り丈の声使ひ切り
虫時雨単調なれど乱れなし
独り居の夜を豊かに虫の秋
素通りの路地の奥より秋の声
残る蟬ほどなく声を端折りけり
こだはりの花にまた来る秋の蝶
自然薯を掘りたる後も絡まるる
時折の風に遅れてぬかご落つ
山越えの声を一つに鳥渡る
鵙高音誰のことかと振り返る
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