残暑なほ動かぬものの前後ろ
漁火に無月の岩の獣めく
虫鳴くや有り丈の声使ひ切り
虫時雨単調なれど乱れなし
独り居の夜を豊かに虫の秋
素通りの路地の奥より秋の声
残る蟬ほどなく声を端折りけり
こだはりの花にまた来る秋の蝶
自然薯を掘りたる後も絡まるる
時折の風に遅れてぬかご落つ
山越えの声を一つに鳥渡る
鵙高音誰のことかと振り返る
- 2021年1月●通巻498号
- 2020年12月●通巻497号
- 2020年11月●通巻496号
- 2020年10月●通巻495号
- 2020年9月●通巻494号
- 2020年8月●通巻493号
- 2020年7月●通巻492号
- 2020年6月●通巻491号
- 2020年5月●通巻490号
- 2020年4月●通巻489号
- 2020年3月●通巻488号
- 2020年2月●通巻487号
- 2020年1月●通巻486号
- 2019年12月●通巻485号
- 2019年11月●通巻484号
- 2019年10月●通巻483号
- 2019年9月●通巻482号
- 2019年8月●通巻481号
- 2019年7月●通巻480号
- 2019年6月●通巻479号
- 2019年5月●通巻478号
- 2019年4月●通巻477号
- 2019年3月●通巻476号
- 2019年2月●通巻475号