離れては寄りては綾子の鶏頭花
芒新穂固まり立ちて真直なる
気にかかり居てそのままに寝待月
初潮へ舳先を高く新造船
よき声の後先となり小鳥来る
神木の洞の奥より秋の声
秋霖や一山のもの声失す
お手植ゑの四葩秋芽を総立ちに
秋黴雨いつもの席に導師なく
尊顔を拝してよりの秋の空
深秋や湧きて戻らぬ水の音
金木犀散りて在り処の明らかに