先駆けの花一輪を自得とす
無傷なる空借景に夕桜
人集る闇に浮き立つさくらかな
地の騒ぎ空へつつ抜け夜の桜
照らされて紛ふことなき糸桜
野に下ろす緞帳のごと花木五倍子
棲む岩と見分けのつかぬ栄螺かな
春禽の来てゐることを声高に
佇めば語気を強めてちよつとこい
砂浜に残る一文字春惜しむ
いつまでも届かぬ句稿花は葉に
- 2023年9月●通巻530号
- 2023年8月●通巻529号
- 2023年7月●通巻528号
- 2023年6月●通巻527号
- 2023年5月●通巻526号
- 2023年4月●通巻525号
- 2023年3月●通巻524号
- 2023年2月●通巻523号
- 2023年1月●通巻522号
- 2022年12月●通巻521号
- 2022年11月●通巻520号
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- 2022年9月●通巻518号
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- 2021年12月●通巻509号
- 2021年11月●通巻508号
- 2021年10月●通巻507号