棚山波朗主宰 作品
梨棚の花の絨毯風に乗る
さくら咲き満つ遠景も近景も
海の風地を這ふ能登のさくら冷え
間のありてまた止めどなく飛花落花
天秤に鱗張り付く春の昼
風止みて常世の色の金盞花
雀の子餌を欲る声のほか知らず
餌台に長居の孕雀かな
(句集『宝達』より)
蟇目良雨副主宰 作品
料峭や己を嫌ふ影法師
三寒の四温に妻を拭き清む
天心の半円の墳草萌えす
梅見茶屋榾を大きく返しけり
いやいやをしてゐる風のフリージア
初蝶を見しときめきを妻に告ぐ
流氷を見て青春の旅終る
- 2024年11月●通巻544号
- 2024年10月●通巻543号
- 2024年9月●通巻542号
- 2024年8月●通巻541号
- 2024年7月●通巻540号
- 2024年6月●通巻539号
- 2024年5月●通巻538号
- 2024年4月●通巻537号
- 2024年3月●通巻536号
- 2024年2月●通巻535号
- 2024年1月●通巻534号
- 2023年12月●通巻533号
- 2023年11月●通巻532号
- 2023年10月●通巻531号
- 2023年9月●通巻530号
- 2023年8月●通巻529号
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- 2022年12月●通巻521号