蟇目良雨 主宰 作品

年忘

袖に手を隠す寒さや一葉忌

茶の花や黙契秘旨の友があり

どうもどうもと伊那男の来たる年忘

うらおもてなく話合ふ大根汁

東京に死ぬも縁や除夜の鐘

初髪やがらりとかはる女の子

吾妹子を逝かせてからの寝正月

水仙や傘の中から加賀言葉

赤き外套老いを愉しむために着る

鯣焼く火の番小屋の留守居かな

どんぐり不作なれば

空腹の親子の熊の撃たれけり

焼鳥の皮を好んで老いにけり