2017年12月(通巻461号)
2017年12月●通巻461号
2017年12月1日 2017年
平成29 年12月号/目次 12月の俳句 ……………………………………………………… 冬支度〈主宰近詠12句〉 …………………………… 棚山波朗 晴耕集 ……………………………………………………………同人作品Ⅰ …
自由時間 (55) 2017年12月号
2017年12月1日 自由時間
今回は、森鷗外の日露戦争従軍詩歌集である『うた日記』について書く。 森林太郎は、日露戦争(1904~5)のとき、陸軍第二軍兵站部軍医部長として出征した。1904年(明治37)4月、広島市の宇品港を出発し、帰国したのは翌々年の1月であった。その間、折に触れて詩・歌・俳句を作る。それをまとめたものが『うた日記』である。
曾良を尋ねて(100) 2017年12月号
2017年12月1日 曾良を尋ねて
芭蕉の「荒海や」の句は佐渡島への畏敬の念によって創造されたイマジネーションの句ではなかったか。 大久保長安は大陸から渡って来た秦氏の末裔で武田信玄、徳川家康に仕え鉱山の開発に力を発揮した。
衣の歳時記 (93) 2017年12月号
赤子や幼児を背負ってその上から羽織るやや大きめの半纏の「ねんねこ」。子供を庇護し防寒を兼ねる。綿を入れて広袖にし、衽を付けて前を合わせる。今日ではほとんど目にすることはないが、懐かしい装いの一つである。副季語は「ねんねこ半纏」「負い半纏」「子守半纏」「亀の子半纏」。
枕草子のおもしろさを読む(7)2017年12月号
2017年12月1日 古典に学ぶ
秋の野を通じてのおもしろさというものは、まさに薄にこそあるのだ。穂先が黒みを帯びた赤色で、とても濃いのが、朝露に濡れてなびいているのは、これほどすばらしいものがほかにあろうか。
はいかい漫遊漫歩(76)(77)2017年12月号
2017年12月1日 はいかい漫遊漫歩
「お客様は神様です」の国民的演歌歌手、三波春夫。本名の北詰文司にちなんだ北桃子(ほくとうし)の俳号で俳句を詠んだ。 女優、夏目雅子の決めぜりふは、映画『鬼龍院花子の生涯』での啖呵「なめたらいかんぜよ」。夏目は写真家の浅井慎平主宰「東京俳句倶楽部」に参加、俳号は海童。〈結婚は夢の続きやひな祭り〉などの句がある。 映画『男はつらいよ』シリーズの “フーテンの寅 ”役を27年間演じ続けた国民栄誉賞俳優、渥美清の俳号は風天。 円谷プロの映画『ウルトラマン』『ウルトラセブン』の監督として知られ、後年オペラ演出にも進出、東京芸術大学演奏芸術センター教授も務めた実相寺昭雄。ATG長編映画『無常』では、ロカルノ国際映画祭グランプリを受賞。TBSのテレビ演出部を振り出しに映画、オペラ演出と活躍の場を広げた才人は、小学生時代からの鉄ちゃん、それも路面電車オタクだった。 種村直樹は、故宮脇俊三とともに “乗り鉄 ”の世界を一つの文化、鉄道文芸に育て上げた功労者だ。1980年から30年、延べ495日かけて鉄道による列島外周踏破の日、東京・日本橋に200人のファンが詰めかけ、達成を祝福した。