「俳句文法」入門 (13)          
─ 動詞の活用について ─             大林明彦 

 単語を分類したものを品詞という。十種類の品詞がある。動詞・形容詞・形容動詞・名詞・副詞・連体詞・接続詞・感動詞・助動詞・助詞。このうち活用があるのが動詞・形容詞・形容動詞・助動詞。活用とは語形が変化する(未然形・連用形・終止形・連体形・已然形・命令形)ことをいう。五十音図を覚えよう。あいうえの四段に活用するのが四段活用。い段のみが上一段活用。い・うの二段が上二段。え段のみが下一段。う・えの二段が下二段。サ行の三段に活用するのがサ変。カ行の三段がカ変。ナ行の四段がナ変。ラ行の四段がラ変。次の動詞は何行何段活用何形か。
被る岩の浮沈や冬の海棚山波朗
うそ寒や棚をあふるる古雑誌池内けい吾
さがし物ばかりしてゐる秋思ふと髙井美智子
目覚むれば朝霧迫る坊泊坂﨑茂る子
小春日や日の落つるまで子らの声斎藤耕次郎
 答の確認。①はラ行四段の連体形。②はラ行下二段の連体形。③はワ行上一段の終止形。④はマ行下二段の已然形。⑤はタ行上二段活用の連体形。