四季の野鳥 (7)
色鳥・秋小鳥 勝股あきを
色鳥は傍題が「秋小鳥」となっているように主に秋に渡って来る尉鶲、真鶸、連雀、花鶏(あとり)などで、羽根色が美しい小鳥の総称である。また渡りをしなくても姿が美しい鳥を含む。
鶲の語源については、尉鶲の鳴声をもとにして幸田露伴は、ビタキから火焼としたとし、また内田清之助らはヒーツヒーツカツカツの鳴声が火打石を叩く音に似ているので、ひたきとしたという。俳句で鶲と言うと尉鶲を指すが、尉とは能では老翁を指す通り、雄の頭は灰白色をしている。また羽根には雄雌ともに白い紋があるので、時に紋付鳥と呼ばれることもある。
その他、真鶸にしても連雀・花鶏にしても皆カラフルな羽根色をしていて、春の渡り鳥の多くが囀りを競うのに対して、秋の渡り鳥は色を競うと言われる所以である。
(例句)
色鳥のかくれて見えぬ廂かな 高浜虚子
色鳥の来て仏敵の名の悲し 水原秋桜子
色鳥やきらきらと降る山の雨 草間時彦
でで虫の句碑に色鳥日暮まで 皆川盤水
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