はいかい万華鏡
はいかい万華鏡 (12) 2025年4月号
2025年4月1日 はいかい万華鏡
戦後80年を経過した私たちの年代にはもう戦争を体験した人はいないと思う。普段の生活に何かしら不満があるとしても、戦場へ行かされるような危険は今の日本には無い。
はいかい万華鏡 (10) 2025年2月号
2025年2月1日 はいかい万華鏡
「関心領域」という映画を見た。アウシュビッツ収容所長アドルフ・ヘスと家族の物語だ。「かの」収容所に赴任したヘスが上から命じられたことを淡々とこなす仕事ぶりと、妻とその子供達が収容所と壁を一枚隔てた静かな空間での日常生活が美しく静かに描かれていて始めのうちは何の物語か分からない。
はいかい万華鏡 (9) 2025年1月号
2025年1月1日 はいかい万華鏡
広重の「東海道五十三次」がよく売れたのは旅に出かけなくても土地の名所、名産、言い伝えが一枚の絵に込められていて実際に行った気分にさせたことである。例えば箱根宿「湖水図」では険しい峠道を中央に配し左半分には芦ノ湖と遠くに富士山を配している。歩けば苦しくなる峠を誇張して描くことで見る者を旅をしている気分にさせたのだ。
はいかい万華鏡 (8) 2024年12月号
2024年12月1日 はいかい万華鏡
2024年ノーベル平和賞受賞ニュースをテレビ番組で見て思わず涙がこぼれた。 受賞者は「日本被団協」(日本原水爆被害者団体協議会)。 日本被団協の活動は広島・長崎の原爆投下の惨状を風化させることなく後世に伝える目的で被爆市民等が維持している団体で、恐らく殆どの人がノーベル平和賞を取るとは考えていなかっただろう。そんなか弱い団体の運動を見つけ出して平和賞を与えたノーベル賞の懐の深さに感動して涙したのかもしれない。
はいかい万華鏡 (7) 2024年11月号
2024年11月1日 はいかい万華鏡
卑弥呼がシャーマンだけの指導者でなかったことが共通認識になっている現代において、卑弥呼の時代から現代まで日本が外国から侵略されずに二千年近く独立を保っていることに、女性の力が随所に幾度も発揮されてきたことを認識すべき時が来たのではないかと思うのである。
はいかい万華鏡 (6) 2024年10月号
2024年10月1日 はいかい万華鏡
過日アマゾンプライムで「人生いろどり」 2012年制作の町興し映画である。徳島県上勝町という山間僻地の老女による村興しの物語である。農協の若い職員と農家の老女たちが知恵を絞って料理の褄用に「葉っぱ」を売ることを考え出した。
はいかい万華鏡 (3) 2024年7月号
2024年7月1日 はいかい万華鏡
3世紀の日本に卑弥呼がいた。鬼道を扱う女性のイメージが、近年の研究で邪馬台国連合を合議制で率いた指導者としての卑弥呼として定着している。
はいかい万華鏡 (2) 2024年6月号
2024年6月1日 はいかい万華鏡
今年度芥川賞受賞作品九段理江著『東京都同情塔』の物語はザハ・ハディド案の国立競技場に隣接する新宿御苑に70階を超える超高層施設を建てて東京都民の中で同情に値する人々を無料で住まわせる計画に携わる女性建築家の話だ。
はいかい万華鏡 (1) 2024年5月号
2024年5月1日 はいかい万華鏡
父は新聞記者として忙しく、母が子の面倒を見たが教師上がりの性格だろうか、私が学校で特別扱いされることを嫌い、運動会の徒競走にも普通に走らされた。結果は想像出来るように先頭の子から何十メートルも遅れてゴールをするのだが、この時の悔しい「何くそ‼」という気持ちが私を育てたに違いない。