佇めば後ろにまはる秋思かな
風変る時の静けさ神の旅
神留守の波より高き忘れ潮
細りゆく姿それぞれ冬めきぬ
冬鳥の睦ぶに声の要らぬらし
己が座を定めてよりの返り花
マスクして病者の貌を押し通す
病人の態そのままに落葉踏む
悼 升本行洋氏
誰彼に羽音やさしや冬の鳥
悼 島田ヤス氏
「ヤスさん」の声賑々し冬日向
悼 前川みどり氏
榾火継ぎ諏訪の事々夜更けまで
悼 菅原庄山子氏
三山へいつも先達冬青草