北窓を開き真面に波の音
偶の日を等分に野梅かな
耕しの済みたる畑の息づかひ
剝き出しの松の生傷春の雷
スクリューに研きをかけて磯開き
寄居虫の空き家ばかりが並びをり
居ないふりすれば蛤舌を出す
春浅し新造船の櫓の軋み
春来れば波が笑ふと能登の海人
落雷にヒューズ飛ぶ音真暗闇
流木の焚火くすぶる彼岸かな
波打際扇開きにさくら貝
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