初秋の朝市の婆荷沢山
新牛蒡今朝裏畑で掘り来しと
秋潮を頭かぶりに夫婦岩
流木を小屋の心棒浜仕舞
引く波に砂文字消さる夏の果
定位置に来て秋蟬の鳴き納め
流るもの流れにまかせ夏終る
コロナ禍の街を遠見に夏の月
コロナ禍の新宿横丁後の月
船虫の音を集めて逃げ去りぬ
打ち寄せしものをそのまま夏終る