棚山波朗名誉主宰 作品
波に乗る海月に意志のごときもの
毛虫焼き日の暮の妻素気なし
三伏の雑魚ばかりなる地曳網
生きもののすぐ動き出す喜雨の後
天辺に力をあつめ夜の噴水
瓶の玉鳴らしてみたくラムネ買ふ
命あるものより空蟬長らへし
句集『料峭』より
蟇目良雨主宰 作品
妻病める窓に緑のさす中に
黒帽に黒ネクタイや四十雀
青嵐一鳥声を吹きとばす
良き雨に満面の笑みひきがへる
初鰹未婚の妻を眩しみぬ
麦飯の犢鼻褌(ふどし)といふもなつかしき
刺身におろせば
疫病(えや み)より恐し虎魚の毒の鰭
- 2024年11月●通巻544号
- 2024年10月●通巻543号
- 2024年9月●通巻542号
- 2024年8月●通巻541号
- 2024年7月●通巻540号
- 2024年6月●通巻539号
- 2024年5月●通巻538号
- 2024年4月●通巻537号
- 2024年3月●通巻536号
- 2024年2月●通巻535号
- 2024年1月●通巻534号
- 2023年12月●通巻533号
- 2023年11月●通巻532号
- 2023年10月●通巻531号
- 2023年9月●通巻530号
- 2023年8月●通巻529号
- 2023年7月●通巻528号
- 2023年6月●通巻527号
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- 2023年2月●通巻523号
- 2023年1月●通巻522号
- 2022年12月●通巻521号