蟇目良雨主宰 作品

        8020運動
歯があればかくも美味しや秋の水
木の実独楽父の亜流を越えられず
水澄みてはつきり見ゆる妻の恩
父貧し終の栖の萩に露
稻の夫雲の上から顔を出す
百穴の口の哭きだす芋嵐
蜩や鉱泉宿の火吹竹
桔梗や緘黙の母誇りとし
鳴り竜のそのまま淵に潜みけり
      嘗て
篆刻を待つ間北京の雁渡し
手で林檎割り無頼めくときのあり
舟で来て芦刈はじむ夫婦かな