蟇目良雨 主宰 作品

春の雪
「文学の森賞」受賞の報あり
よき知らせあり茫茫と春の雪
孫合格す
鷹鳩と化し赤門を飛び越える
閉め切つて奈良をたのしむ春障子
菜の花の野の明るさよ蕪村以後
のれそれをおそれおそれにすする春
点睛の一点として揚雲雀
沈丁はお喋りみんな口開けて
俳人協会監事退く
今朝よりは布衣やたづきの水温む
一炊の夢のつづきに亀の鳴く
すぐ帰るはずの妻待つ春火鉢
武蔵御嶽神社
三月や山の真水を手に掬ふ
おほかみの山弄ぶ杉花粉