朝方に来し春鳥が昼にまた
 出し抜けにビラを渡さる建国日
 余力あるものをそのまま垣繕ふ
 波音に消さる人声北開く
 啓蟄やひとりでに落つ崖の砂
 春遅々と波の残せし貝の殻
 すかんぽや少年常に傷持てり
 肩越しに片手拝みの出開帳
 釣り上げし魚に口付け春たのし
 満ち潮に磯巾着の小踊りす
 海に落つ日を正面に潮まねき
 春航路沖へ出てより向き定む
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