棚山波朗主宰 作品 
福藁に雀睦める山家かな
魚臭き舳先に飾る鏡餅
冬草のみどり明るき山家かな
短日の大工鉋を叩きづめ
かいつぶり浮くより潜る間のながし
雑炊をすすりて寝るにまだはやし
古本を漁りし後の鮟鱇鍋
枯芭蕉折れたる茎の支へあふ
                                        (句集『之乎路』より)

蟇目良雨副主宰 作品 
露寒や金を無心の父の文
家購つて紫式部貰ひ受く
一葉の井戸に人ごゑ十三夜
先生のはや十回忌蚯蚓鳴く
古酒を酌む真夜の介護を済ませては
日々ちぢむいのちありけり烏瓜
氷枕の上(へ)に菊枕妻病める