「俳句文法」入門 (45) 
─── 助詞について ───         大林明彦

 助詞とは何か。活用のない付属語のこと。つまり、他の語に付いて様々な働きをする語のこと。格助詞・接続助詞・副助詞・係助詞・終助詞・間投助詞の六種類がある。格助詞とは何か。次の様な種類あり。①主格②連体格③体言用④同格⑤比喩である。<が・の>
 ①主格(…が・…の)→伊勢物語「夜半には君ひとり越ゆらむ」土佐日記「女児なきのみぞ、」
 ②
連体修飾格(…の・…のような)→竹取物語「屋内は」平家物語「それがし郎等」
 ③体言の代用もある。→徒然草「古は、」(昔のものは)
 ④同格(…で)→源氏物語「いとやむごとなききはにはあらぬ、すぐれて時めき給ふありけり」伊勢物語「白き鳥、嘴と足と赤き、…」
 ⑤比喩(…のように)→土佐日記「見し人の松千年に見ましかば遠く悲しき別れせましや」
神鶏見る影もなく羽ぬけをり堀井より子
笛の音よく透りけり薪能山城やえ
下闇や文字うすれし殉教碑大西裕
城跡はけ小流れ初蛍中島八起
②③が主格(主部の資格)、④が連体格。