はいかい漫遊漫歩(70)(71)2017年9月号
2017年9月1日 はいかい漫遊漫歩
聖路加国際病院名誉院長で文化勲章受章者の日野原重明さんが「生涯現役」を貫き、百五歳の天寿を全うして一月経つ。六年前から“ランドセル俳人”で知られる小林凜君(現在十七歳の高校生)と俳句を交えた爽やかな交流を続けていた
自由時間 (51) 2017年8月号
2017年8月1日 自由時間
幸田露伴(1867~1947)は、小説『露団々』『風流仏』『五重塔』『連環記』や史伝『運命』そして『芭蕉七部集評釈』などで知られる文豪で、第一回文化勲章の受賞者である。 俳諧の講義を、断片的にではあるが臨場感を持って記録して上梓した。それが『露伴の俳話』(講談社学術文庫、一九九〇年。絶版)である。 残念ながら古本でしか手に入らない。あとは図書館にあればいいが。
衣の歳時記 (89) 2017年8月号
海やプールで泳ぐ時に着る「水着」。かつては木綿、毛織物、絹が使われたことがあったが、今はポリエステルなどの化学繊維のものが主流となっている。一般用と競泳用があり、女性用はとりわけカラフルで、デザインが豊富。副季語は「海水着」「海水帽」。
子規の四季(83) 2017年8月号
明治三十五年(1902)8月20日(水)晴。この日『病牀六尺』の連載が百回に達した。〈百日の月日は極めて短いものに相違ないが、それが予にとつては十年も過ぎたやうな感じがするのである〉と子規は記した。 この日の午後、子規が朝顔の写生をしているところへ、鈴木芒生、伊東牛歩の二人の俳人が訪れた。それからの出来事を、子規は8月24日の『病牀六尺』に恋愛小説を思わせる筆致で述べている。二人の俳人は孫生、快生の名で登場する。
枕草子のおもしろさを読む(3)2017年8月号
2017年8月1日 古典に学ぶ
三百ほどの章段を持つ『枕草子』の中で、最も気が利いて、人をあっと言わせるのが類聚章段である。前置きの準備もなく、説明も議論もなく、人間の常識、情感に訴えて、一語を発し、一字を並べる、やがて読者の心に旺盛な感興を惹き起こすのが、「~は」、「~もの」、「~げなるもの」章段である。問いから答えを、答えから問いを導く形と、「~らしく見える」型の章段である。 星は すばる。ひこぼし。みやうじやう。夕づつ。よばひ星。をだになからましかば。まいて。(二三六段 「星は」)
はいかい漫遊漫歩(68)(69)2017年8月号
2017年8月1日 はいかい漫遊漫歩
八月や六日九日十五日、八月の…、八月は…の三句は、毎年八月になると多くの人々に同じ句が詠まれ続けている。 日中戦争が始まった昭和十年代、新興無季派の戦火想望俳句が登場。若き三橋敏雄は戦火想望俳句の期待の星として注目された。