子規の四季 (68) 2016年5月号 病牀苦語
子規の「病牀苦語」の冒頭の1節。署名は「子規口述」となっており、病床で筆を持てない子規が口述し、妹・律が筆記したものと考えられる。 此頃は痛さで身動きも出来ず煩悶の余り精神も常に穏やかならんので、毎日二三服の麻痺剤を飲んで、それでやうやう暫時の麻痺的愉快を取つて居るやうな次第である。
衣の歳時記(74) 2016年5月号
─ 夏 羽 織 ─ 時折、空や明るい日差しの中に夏の兆しを感じる五月。さ緑の美しい梢が風と響き合っているような心躍る季節である。
俳句時事(168) 作句の現場「河津桜」と「吊し雛」2016年4月号
寒さのまだ残るこの時期に伊豆で知られるもう一つのイベントが稲取の「雛の吊し飾」である。稲取駅から歩いて十二、三分のところに雛の館と呼ばれる「むかい庵」がある。 ここでは雛の「段飾り」を中心に多くの「吊し雛」が飾られている。
自由時間 (35) 2016年4月号
2016年3月20日 自由時間
世界遺産で行って良かったところは、というアンケートを採ると、アンコールとマチュピチュが常に1、2位を争い、他を寄せつけない。どちらも廃墟である。 アンコールは、東南アジアで最も重要で広大な遺跡だ。面積は密林を含めて400平方キロに及び、数多の石造寺院が点在している。
曾良を尋ねて (80) 2016年4月号
2016年3月16日 曾良を尋ねて
曾良を尋ねて 80 乾 佐知子 – 塩竈から松島へ ─ 5月8日、二人は仙台の画工加右衛門が描いてくれた絵図を頼りにいくつかの歌枕の地を巡った。 その日のことを曾良は「仙台を立つ。十荷菅・壺碑を見る。未の刻 …