四季の野鳥 (3)         
 時鳥(ホトトギス)    勝股あきを 

 時鳥はこの鳥の種類の郭公、十一(慈悲心鳥)、筒鳥の中で最も小さいが、文芸上最も愛好され、万葉集の中で雁や鶯よりはるかに多いようだ。夏を告げる鳥として昔は初音を待ちわびたという。(図説日本鳥名由来辞典)

 名前の由来はよく分からないが、ホトトギスの「ス」が鳥を示すと考えると鳴き声を「ホトトキ」と聞きなしたものか(前述書)。鳴き声には特徴があり「テッペンカケタカ」とか「特許許可局」などと聞きなしされている。

巣はこの種類の他の鳥と同様に自分では作らず主に鶯の巣に托卵する。仮親は見分けがつかないのか同じように抱卵・育雛するが、この鳥は早目に孵化し、仮親の卵を巣の外に落としてしまう。私は夏鶯が遠くで鳴いているときに近くで時鳥が大きな声で鳴いたのを聞いたことがある。

曙はまだ紫にほととぎす芭蕉

ほととぎす鳴きて遠めく山の滝飯田蛇笏

谺して山ほととぎすほしいまま杉田久女

妻が来し日の夜はかなしほととぎす石田波郷

ほととぎす啼いて雨滴が粗くなる細見綾子

谷深ければ山高くほととぎす鷹羽狩行

憑かれたるごと声高のほととぎす棚山波朗