四季の野鳥 (8)
梟(ふくろふ) 勝股あきを
十一月に入ると七日の立冬の後は初冬になる。今回はその時季の野鳥の梟を取り上げる。梟は夜の鳥と考えている人が多いと思うが、私は今回のコロナ問題が生まれるずっと以前、探鳥のため一人で日中に森を歩いている時に梟と目が合って驚いたことがあった。
図説鳥名の由来辞典によると、「ふくろふ」は奈良時代からこの名で知られている。
平安時代では源氏の君が夕顔の亡くなった夜に梟のような鳴き声を聞くと述べられているのは、この鳥が夜行性の猛禽であり、鳴声も陰気なので恐ろしい鳥という印象からこのような言い伝えが生じたのであろうという。(前掲書)
「ふくろふ」の語源に関し、新井白石は鳴声によるとしているが(東雅)これが定説である。異名の「さけ」に関し白石は「叫ぶ」によるとしている。
(例句)
山の宿梟啼いてめし遅し 高浜虚子
梟淋し人の如くに瞑る時 原石鼎
ふくろふに深紅の手毬つかれをり 加藤楸邨
梟の目玉見にゆく星の中 矢島渚男
眠りゐて梟の首よくまはる 棚山波朗
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