村雨に咲き急ぎたる破れ傘
老鶯に応ふる鳥もなかりけり
手の届くところを先に毛虫焼く
遊船を下りたる後も揺れ続く
打ち寄せしもの置き去りに秋の浜
連れ立ちて声を惜しまず秋の蟬
上げ潮に即かず離れず海月浮く
盆帰省語尾に「ね」のつく能登ことば
間を置きて秋蟬の声先細り
秋雷の松の生傷剝き出しに
秋の波寄せて嵩増す忘れ潮
水平線にかかりて速し秋入日
- 2021年4月●通巻501号
- 2021年3月●通巻500号
- 2021年2月●通巻499号
- 2021年1月●通巻498号
- 2020年12月●通巻497号
- 2020年11月●通巻496号
- 2020年10月●通巻495号
- 2020年9月●通巻494号
- 2020年8月●通巻493号
- 2020年7月●通巻492号
- 2020年6月●通巻491号
- 2020年5月●通巻490号
- 2020年4月●通巻489号
- 2020年3月●通巻488号
- 2020年2月●通巻487号
- 2020年1月●通巻486号
- 2019年12月●通巻485号
- 2019年11月●通巻484号
- 2019年10月●通巻483号
- 2019年9月●通巻482号
- 2019年8月●通巻481号
- 2019年7月●通巻480号
- 2019年6月●通巻479号
- 2019年5月●通巻478号