蟇目良雨主宰 作品 

蠅虎八艘跳びをして見せる
簡単に巻く四五枚や花オクラ
酌み交す友減つてゆく鱧の皮
黒南風やこのごろ情死聞かざりき
時の日や妻の昔を遡る
妻に燻く香を多めに梅雨に入る
かはせみを見たると妻の若やぎぬ
妻とゐし時の濃厚水羊羹
父の日に太宰の妻子ふと思ふ
飛び越えて次の屯へ濁り鮒
屁糞葛母が怒ればおそろしき
内がはは火の車なり青簾