蟇目良雨主宰 作品

朝顔の満面日々の新たなり
起き抜けの井戸水うまし朝曇
回廊のところどころの寺蚊遣
振袖をひらりはらりと揚羽蝶
山越えて来しはげしさや虎が雨
汝も妻を喪ひたるやひきがへる
風鈴や母より妻を愛してしまふ
盆僧の汗のたうたう退かぬなり
退職をして水虫と縁を切る
風死して硫黄に噎ぶ恐山
         日野句会指導して半年
夏雲のひそかに太る多摩の奥
屑買ひの親分のゐる夾竹桃