蟇目良雨主宰 作品

黒南風や水切り済ます妻の供花
急ぐとき家傾けてかたつぶり
水羊羹老いてたのしきことばかり
ある日より淫らな百合となりにけり
   奈良八句
奈良緑夜旅人に雨ひと雫
奈良扇子ほとけの前で使ひけり
矢車草秋篠へ畦幾曲がり
暗がりに開門を待つ苔の花
印涼し影また涼し伎芸天
み仏の見え出す梅雨の闇に馴れ
   聖林寺倉本明佳住職
万緑に十一面を隠し守る
磨かれし仏具に三輪の緑さす