はいかい漫遊漫歩(172)(173)2021年12月号
2021年12月1日 はいかい漫遊漫歩
池波正太郎の江戸時代小説シリーズ『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』には、食い物屋と江戸の食べ物が数多く登場する。美食家と言われた作家ならではの筆さばきに、読者は唾を呑み込むことになる。
「俳句文法」入門 (34) 2021年12月号
2021年12月1日 俳句文法
べしは活用語の終止形に接続する。生くべし。死ぬべし。但しラ変とラ変型の活用語には連体形に付く。有るべし。居るべし。活用は形容詞の型である。
韓の俳諧(34)2021年12月号
2021年12月1日 韓の俳諧
大正3年1月韓半島北部で発行された俳句雑誌『蕉禅世界』がある。鎌倉の建長寺に湖磨が建てた「蕉禅俳諧五哲記念碑」があり、五哲の中の風見坊玉龍が『蕉禅世界』主宰の田村小重郎だ。
「日本酒のこと」(12) 2021年12月号
2021年12月1日 日本酒のこと
燗酒が美味しい季節になりました。日本酒は常温、冷酒、燗酒と幅広い温度帯で楽しめる世界でも稀なお酒ですが、特に燗酒にすると魔法をかけたようにお酒の香味がプラスへプラスへと様変わりします。これはワインに比べ乳酸やアミノ酸等を多く含む日本酒は、温めることによりお米の持つ上品で柔らかな甘味分が膨らむ一方で、渋みや雑味分が抑えられるからです。
古典に学ぶ (100)源氏物語2021年11月号
2021年11月1日 古典に学ぶ
柏木の病と死② 六条院の東南の春の町で、柏木・夕霧などの若い世代によって行われた桜の花の下の蹴鞠は、息苦しい「蔭」への挑戦のように、蹴鞠の鞠が高く蹴上げられ、桜を散らし、六条院の秩序世界に裂目を入れていく場面として描かれている。
はいかい漫遊漫歩(170)(171)2021年11月号
2021年11月1日 はいかい漫遊漫歩
2019年は、高浜虚子の没後60年。椿寿忌(4月8日)に因み、本欄の同年4月~6月号で虚子が戦後俳句をどう評価、鑑賞していたか、“肉声の記録 ”を復刻した『虚子は戦後俳句をどう読んだか―埋もれていた「玉藻」研究座談会』(筑紫磐井編著 深夜叢書社刊)を紹介した。 その際、洩れたが、高野素十、星野立子と言う虚子にとって“身内の俳人 ”を研究座談会の弟子たちの前でどのように評価していたか、2人に対する発言記録のさわりを書く。
「俳句文法」入門 (33) 2021年11月号
2021年11月1日 俳句文法
「荒海や佐渡に横たふ天の河」「横たふ」はすっと心に入って意味も鮮明だ。文意上は分かる。が文法上は破格と思う。横たふに四段活用はない。