春耕俳句会は、有季定型の俳句と和楽の心で自然と人間の中に新しい美を探求します。第五感・第六感を働かせた俳句作りを心がけます。
連載記事 - 月刊俳句雑誌「春耕」掲載

はいかい漫遊漫歩(130)(131)2020年3月号

高浜虚子が主宰する「ホトトギス」の4Sの一人、水原秋櫻子が自誌「馬酔木」(昭和6年10月号)に「自然の真と文芸上の真」を搭載、「客観写生」の師に反旗を翻し、脱会。4年後の昭和10年、もう一人の4S、山口誓子も「ホトトギス」を離れ、「ホトトギス」を去る前から投句していた「馬酔木」に移る。 〈秋櫻子、誓子らは有季定型を固持し、「京大俳句」は無季俳句を認め、新興俳句運動の先頭を走る。昭和9年3月、改造社から総合俳誌「俳句研究」が創刊され、「ホトトギス」などと同列に新興俳句を取り上げたため、俳句革新運動にも弾みがつき、新たな豊饒の時代を迎える。〉(『新興俳人の群像 「京大俳句」の光と影』田島和生著 思文閣出版刊)

韓の俳諧(13)2020年3月号

─ 飛び石が橋に ─ 本記事9回を読んで、岡部良一氏から3句の読解に教示をいただいた。岡部氏からそれらの句は、図書館で筆写せずとも、国文学研究資料館の新日本古典籍総合データベースで読めるとも教えていただいた。さらに、東京大学史料編纂所の「電子くずし字字典データベース」やスマートフォンの活用、有料だが、凸版印刷の「高精度ОCR全文テキスト化サービス」を使用すると、古典籍を機械が読み取って解読し、活字のテキストが得られる。古い俳諧資料のは多々あり、それらの解読に有力だ。本記事9回が跳び石となり、橋がが架けられた。

曾良を尋ねて(126) 2020年2月号

念願の芭蕉の墓参を済ませた曾良は急遽長島へ向かった。長島では藩主松平忠充の乱心により芭蕉や曾良とも親交が深かった家老藤田八郎左衛門と家臣が切腹させられた。この件により松平家は没収となり、藩の記録は四散し松平家の分限帳も残っていないと言う。曾良の無念は計り知れないものだったであろう。

「俳句文法」入門 (13) 2020年3月号

あいうえの四段に活用するのが四段活用。い段のみが上一段活用。い・うの二段が上二段。え段のみが下一段。う・えの二段が下二段。サ行の三段に活用するのがサ変。カ行の三段がカ変。ナ行の四段がナ変。ラ行の四段がラ変。

鑑賞 「現代の俳句」(141)2020年2月号

身を反らすすがるをとめや風の盆 伊藤三千江

自由時間 (80)2020年2月号

地球クライシス/水の都ベネチアが、暴風雨と高潮に襲われ、その8割以上が水に浸かった。サン・マルコ広場には膝上まで水が押し寄せ、サン・マルコ大聖堂の正面テラスに立つ4頭の馬の銅像が、プールのようになった広場を茫然と見下ろしていた。

古典に学ぶ (79)万葉集の魅力 (7)2020年2月号

「梅花の宴」の最後に位置するのは、小野氏淡理(おのうぢのたもり)の、「霞たつ長き春日をかざせれどいやなつかしき梅の花かも」という締めくくりの意味を持つ歌である。

はいかい漫遊漫歩(128)(129)2020年2月号

「ホトトギスの4S」(水原秋櫻子、高野素十、阿波野青畝、山口誓子)に名を連ねていた山口誓子も、水原秋櫻子の後を追って「ホトトギス」を離れ、秋櫻子の「馬酔木」に加入する。 風物を叙情性豊かに詠む秋櫻子、都会的な素材を取り込み、知的、即物的な詠句を次々に発表する誓子の作句活動は、「ホトトギス」一色だった俳壇に新風を吹き込むことになった。「天の川」「土上」「句と評論」などの俳誌に拠る若手俳人たちの共感を呼び、俳句の近代化への動きが湧き上がる。 西東三鬼は書く。〈 新興俳句人の生活感情は散文精神であり、之に対蹠的に伝統俳句を弄ぶ人々の生活感情は韻文精神である。〉

« 1 42 43 44 81 »
PAGETOP
Copyright © 春耕俳句会:Shunkou Haiku Group All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.