古典に学ぶ
古典に学ぶ (144) 源氏物語 2025年7月号
2025年7月1日 古典に学ぶ
「病」と「死」を物語はどう描いたか㉘ 本質的なもの① 浮舟物語とは、「源氏物語」がその長大な物語を閉じるにあたって、最後にうってでたきわめて野心的な試みであったと思われる。
古典に学ぶ (143) 源氏物語 2025年6月号
2025年6月1日 古典に学ぶ
物語の停止① 横川僧都は女一宮の夜居の守護に奉仕して宮中に滞在中、明石中宮との世間話のなかで宇治の院で浮舟を発見した時のことを話した。
古典に学ぶ (141) 源氏物語 2025年4月号
2025年4月1日 古典に学ぶ
独白① 浮舟は、思い悩んだ末に自分には出家しかないと考え至る。次に引用するのは、少々長いが、その独白のくだりである(「手習帖」)。
古典に学ぶ (140) 源氏物語 2025年3月号
2025年3月1日 古典に学ぶ
「病」と「死」を物語はどう描いたか㉔ 浮舟の死の決意④ 「浮舟」という呼称は、匂宮に連れられて宇治川を渡る船中で読まれた、 橘(たちばな)の小島の色は変はらじをこの浮舟ぞゆくへ知られぬ の歌に由来する
古典に学ぶ (138) 源氏物語 2025年1月号
2025年1月1日 古典に学ぶ
「病」と「死」を物語はどう描いたかか㉑ 浮舟の死の決意② 中君は匂宮から薫との仲を疑われて以来、薫の恋慕を迷惑にも厄介にも思うようになっていた。ある時いつものように大君を忘れられないと話す薫に、大君によく似ている異母妹のいることを打ち明けた。それが浮舟である。
古典に学ぶ (137) 源氏物語 2024年12月号
2024年12月1日 古典に学ぶ
「病」と「死」を物語はどう描いたかか㉑ 浮舟の死の決意① 死を決意しながらも叶わず、生き永らえ、仏門に入った源氏物語の最後のヒロインである浮舟という女(ひと)がいる。どのような女君であったのか。彼女の半生を辿ってみたい。
古典に学ぶ (136) 源氏物語 2024年11月号
2024年11月1日 古典に学ぶ
「病」と「死」を物語はどう描いたかか⑳ 紫の上⑤ 紫の上亡き後、物語は故人を追悼しながら、いかに心静かに出家を遂げるべきか、そのことだけを求めて生きる光源氏の日々がわびしく綴られている。亡き紫の上を偲ぶしみじみとした哀感が漂う。
古典に学ぶ (135) 源氏物語 2024年10月号
2024年10月1日 古典に学ぶ
「病」と「死」を物語はどう描いたかか⑲ 紫の上④ 紫の上の命の滅びる寸前の源氏の心情はいかなるものだったか。前回引用部分に続き、秋に入った夕暮れ、紫の上は、源氏と明石の中宮にみとられながら露の命を終えた。
古典に学ぶ (134) 源氏物語 2024年9月号
2024年9月1日 古典に学ぶ
「病」と「死」を物語はどう描いたかか⑱ 紫の上③ 夏の暑さに病状は悪化し、秋に入った夕暮れ、源氏と明石中宮に看取られながら露の命を終えた。悲しく、美しい人の静かな死であった。紫の上と源氏の歌を挿入したこの場面を少し引用したい。
古典に学ぶ (133) 源氏物語 2024年8月号
2024年8月1日 古典に学ぶ
「病」と「死」を物語はどう描いたかか⑰ 紫の上② 紫の上は、女三の宮の降嫁以来、心労が積もって発病した。肉体の生理的な病というよりは平癒することのない心の病であった。