春耕俳句会は、有季定型の俳句と和楽の心で自然と人間の中に新しい美を探求します。第五感・第六感を働かせた俳句作りを心がけます。
連載記事 - 月刊俳句雑誌「春耕」掲載

古典に学ぶ

古典に学ぶ (105)源氏物語2022年4月号

柏木の病と師⑦ 人間の本質を描く物語 女三宮の方も、柏木との密通の結果、身籠った子の父をめぐり、光源氏に痛烈に皮肉られる。身の置き所のない思いで、やましさに震え、光源氏を怖れ続ける日々を送る。

古典に学ぶ (104)源氏物語2022年3月号

柏木の病と死⑥ 柏木への怒り 源氏は、柏木が女三宮と密通したことを知って激怒した。朱雀院の御賀の試楽が六条院で催されたあと、源氏は酔ったふりをして、柏木に痛烈な皮肉を浴びせかけた。

古典に学ぶ (103)源氏物語2022年2月号

柏木の病と死⑤ 夕霧の心情 柏木と同時に女三宮を垣間見することになった夕霧がまず何よりも先に気づいたのは、女三宮の美しさよりも、不用意にもその姿を男の目に晒すような宮の軽率さを非難しないではいられなかったのである。

古典に学ぶ (102)源氏物語2022年1月号

柏木の病と死④ 柏木の垣間見 また、この猫の登場は、女三宮の住む御殿の内部をあらわに見せる機会を柏木に与える役割を果たし、しかもあろうことか女三宮その人までをも見せてしまうのである。これが、のちに重大な事件を引き起こす原因となり、この場面での猫の役柄は非常に大きいと言わざるをえない。

古典に学ぶ (101)源氏物語2021年12月号

柏木の病と死死③ 柏木の懸想  蹴鞠の疲れを休めるふりをしながら、夕霧は女三宮の住まいの気配に耳をすまし、その気配を窺おうとする夕霧の企みは、柏木というもう一人の同調者を生み出してしまうのである。

古典に学ぶ (100)源氏物語2021年11月号

柏木の病と死②  六条院の東南の春の町で、柏木・夕霧などの若い世代によって行われた桜の花の下の蹴鞠は、息苦しい「蔭」への挑戦のように、蹴鞠の鞠が高く蹴上げられ、桜を散らし、六条院の秩序世界に裂目を入れていく場面として描かれている。

古典に学ぶ (99)源氏物語2021年10月号

「瘧病」という語の意味するもの②・柏木の病と死 興味深いことに、藤壺、朧月夜、女三宮の密通に、桜が密接に関わっていることがいわれる。

古典に学ぶ (98)源氏物語2021年9月号

「瘧病」という語の意味するもの① 「瘧病」という言葉の特殊性はやはり、前にも述べたように、源氏と藤壺、朧月夜との密会に 関する場面にのみ出現するのであって、あきらかにに意識的に使用される。

古典に学ぶ (97)源氏物語2021年8月号

『源氏物語』の密通と「病」・朧月夜と「病」② 十帖「賢木(さかき)」終盤に、朧月夜が瘧病になって退出し、源氏と密会し、二人の関係が発覚する有名なくだりがある。

古典に学ぶ (96)源氏物語2021年7月号

『源氏物語』の密通と「病」・朧月夜と「病」① 『源氏物語』の重要なテーマの一つに不義密通があるが、前回迄の藤壺や朧月夜、そして女三の宮といった、重要な女君たちの密通には必ず病が不可欠な要素としてかかわっている。

古典に学ぶ (95)源氏物語2021年6月号

『源氏物語』に描かれた「病(やまい)」③  「わらは病み」はしばしば「童病」と書かれ、子供に多いとされる病である。光源氏は、12歳で元服したにもかかわらず、大人になりきれず、少年時代に持った藤壺への思慕を引きずり続けていたが、この北山で、犯した罪の意識を自覚することで、その混迷から抜け出す手がかりをつかむことになる。

古典に学ぶ (94)源氏物語2021年5月号

『源氏物語』に描かれた「病(やまい)」② 18歳の若き光源氏の心身を蝕んでいる潜伏性の「病(やまい)」とは、言うまでもなく義理の母である藤壺との密通という罪の意識、そして、その事実が世間に知られれば身の破滅となりかねない。さらに父桐壺帝を欺き続けるという良心の呵責は不断に光源氏を責め続けていたに違いない。

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