春耕俳句会は、有季定型の俳句と和楽の心で自然と人間の中に新しい美を探求します。第五感・第六感を働かせた俳句作りを心がけます。
連載記事 - 月刊俳句雑誌「春耕」掲載

古典に学ぶ

伊勢物語の面白さを読む(29)2016年12月号

『伊勢物語』にはこのような章段を含めた麗しい友との交流を描いた章段が多数あるが、その中でも紀有常との関係は特に親密で、舅と娘婿の関係をはるかに超えた深い友情で結ばれた間柄であったことが想像される。第十六段はそういう関係を鮮明にした章段なのである。

伊勢物語の面白さを読む(28)2016年11月号

いでてゆく君がためにとぬぎつればわれさへもなくなりぬべきかな むかし、男、いとうるはしき友ありけり。かた時さらずあひ思ひけるを、人の国へいきけるを、いとあはれと思ひて、別れにけり。

伊勢物語の面白さを読む (27) 2016年10月号

回に続く話(第八十二段、渚の院)がまだある。 かへりて宮に入らせたまひぬ。夜ふくるまで酒飲み、物語して、あるじの親王、酔ゑひて入りたまひなむとす。十一日の月もかくれなむとすれば、かの馬の頭のよめる。 あかなくにまだきも月のかくるるか山の端は逃げて入れずもあらなむ

伊勢物語の面白さを読む (26) 2016年9月号

惟高親王、歌をかへすがへす誦(ず)じたまうて、返しえしたまはず。 紀の有常、御供に仕うまつれり。それが返し、 ひととせにひとたびきます君待てば宿かす人もあらじとぞ思ふ

伊勢物語のおもしろさを読む(25)2016年8月号

『伊勢物語』 第十六段に登場する紀有常という人 有常は次のような手紙を書き、事情を話すのである。思ひわびて、ねむごろにあひ語らひける友だちのもとに、 「かうかう、今はとてまかるを、なにごともいささかなることもえせ、つかはすこと」と書きて、奥に、 手を折りてあひ見しことをかぞふれば十とをといひつつ四よつは経へにけり

伊勢物語のおもしろさを読む (24) 2016年7月号

東国章段に続く十六段に登場する紀有常 むかし、紀の有常といふ人ありけり。三代のみかどに仕うまつりて、時にあひけれど、のちは世かはり時うつりにければ、世の常の人のごともあらず。

伊勢物語のおもしろさを読む (23) 2016年6月号

東国章段の後日段  むかし、男、すずろに陸 みち 奥の国までまどひいにけり。京に思ふ人にいひやる。浪間より見ゆる小島のはまびさし久しくなりぬ君にあひ見で

伊勢物語のおもしろさを読む  (22)  2016年5月号

おきのゐて身を焼くよりも悲しきはみやこしまべの別れなりけり

伊勢物語のおもしろさを読む(21)2016年4月号

東国章段の結末  しのぶ山しのびてかよふ道もがな人の心のおくも見るべく

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