鳴き足らぬ声をあらはに残る蟬
 残る蟬鳴くと言ふより証す声
 秋めくや釣瓶落しの後の黙
 かたまりて人声圧す秋の蟬
 まだ残る蟬の二声三声かな
 海へ出て色なき風を満面に
 落雷の松の生傷剝き出しに
 離れては寄りては鶏頭つくづくと
 深秋や晩年の徒の涙癖
 かまきりの圧死歩道にこびりつく
 ことさらのことはなけれど秋思かな
 声変り色変りして鳥渡る
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