2017年4月(通巻453号)
自由時間 (47) 2017年4月号
2017年4月1日 自由時間
昨年は夏目漱石没後百年にあたり、今年は生誕百五十年にあたる(1867年2月9日誕生、1916年12月9日死亡)。というわけで、いろいろな記念事業が行われている。 漱石が十五歳のとき約一年間在籍したことのある二松學舍は、漱石のアンドロイド(人型ロボット)を作り公開した。
子規の四季(79) 2017年4月号
明治二十九年(1896)四月、子規を中心とした郵便による句会「十句集」が始まった。これは東京市内なら朝投函した郵便がその日の午後には届いた、当時の郵便事情を反映していると考えられる。郵便の熱烈な愛好者であった子規は、郵便という当時最先端のメディアを駆使して、句会を運営しようとしたのだろ。
衣の歳時記 (85) 2017年4月号
冬の北風が徐々に東風、南風に変わり暖かくなる四月。日本列島を桜前線が北上し若草が萌え立つ美しい季節である。京都は様々な神事や祭で賑わい、春爛漫を迎える。
伊勢物語の面白さを読む(33)2017年4月号
2017年4月1日 古典に学ぶ
紫式部は物語の枠組み作りに際し『伊勢物語』をさまざまな形で積極的に利用していることがわかる。『伊勢物語』が描いた昔男の青春の行跡は、光源氏の青春の日々を描くための、この上ない参考資料となっている。まさに、『伊勢物語』の存在なくして『源氏物語』は描かれ得なかったといってよい。そして、紫式部が先行作品として愛好した『伊勢物語』を、千 年後の我々も同じように楽しんで読めるということは、なんと幸せなことであろうか。