2020年3月(通算488号)
曾良を尋ねて(127) 2020年3月号
2020年3月1日 曾良を尋ねて
長島松平家を断絶に至らしめた松平忠充と曾良の接点はもろもろの資料からほとんどなかったと推測される。しかし忠充の弟の良兼は越後の村上藩榊原家に養嗣子として入っていて、芭蕉とともに奥の細道の旅の途次に墓参をしていることから確かな結びつきはあった。長島藩の改易、松平家断絶は曾良にとっては大きな衝撃であり、これ以降二度と長島を訪れることはなっかた。
自由時間 (81) 2020年3月号
2020年3月1日 自由時間
ポーランドにあるアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所跡で、解放75周年追悼式典が行われた。あの象徴的な入口、下を線路が通る監視塔をすっぽり包むテントが張られた式場には各国首脳とホロコーストからの生存者200名が並んでいた。全員、収容されていたときの囚人服と同じ、青と白のストライプのスカーフを首に巻いて。
古典に学ぶ (80)源氏物語2020年3月号
2020年3月1日 古典に学ぶ
日本最高峰の物語文学『源氏物語』世界を紐解く 日本の最高峰の「古典」といわれ、世界の中でも高い評価を占めてきたのが紫式部という一女性の手による『源氏物語』である。
はいかい漫遊漫歩(130)(131)2020年3月号
2020年3月1日 はいかい漫遊漫歩
高浜虚子が主宰する「ホトトギス」の4Sの一人、水原秋櫻子が自誌「馬酔木」(昭和6年10月号)に「自然の真と文芸上の真」を搭載、「客観写生」の師に反旗を翻し、脱会。4年後の昭和10年、もう一人の4S、山口誓子も「ホトトギス」を離れ、「ホトトギス」を去る前から投句していた「馬酔木」に移る。 〈秋櫻子、誓子らは有季定型を固持し、「京大俳句」は無季俳句を認め、新興俳句運動の先頭を走る。昭和9年3月、改造社から総合俳誌「俳句研究」が創刊され、「ホトトギス」などと同列に新興俳句を取り上げたため、俳句革新運動にも弾みがつき、新たな豊饒の時代を迎える。〉(『新興俳人の群像 「京大俳句」の光と影』田島和生著 思文閣出版刊)
韓の俳諧(13)2020年3月号
2020年3月1日 韓の俳諧
─ 飛び石が橋に ─ 本記事9回を読んで、岡部良一氏から3句の読解に教示をいただいた。岡部氏からそれらの句は、図書館で筆写せずとも、国文学研究資料館の新日本古典籍総合データベースで読めるとも教えていただいた。さらに、東京大学史料編纂所の「電子くずし字字典データベース」やスマートフォンの活用、有料だが、凸版印刷の「高精度ОCR全文テキスト化サービス」を使用すると、古典籍を機械が読み取って解読し、活字のテキストが得られる。古い俳諧資料のは多々あり、それらの解読に有力だ。本記事9回が跳び石となり、橋がが架けられた。
「俳句文法」入門 (13) 2020年3月号
2020年3月1日 俳句文法
あいうえの四段に活用するのが四段活用。い段のみが上一段活用。い・うの二段が上二段。え段のみが下一段。う・えの二段が下二段。サ行の三段に活用するのがサ変。カ行の三段がカ変。ナ行の四段がナ変。ラ行の四段がラ変。