2020年6月(通算491号)
2020年6月●通巻491号
2020年6月1日 2020年
令和 2 年 6 月号/目次 6月の俳句 …………………… 春 愁〈主宰近詠12句〉 ………………………… 棚山波朗 晴耕集 …………………………… 同人作品Ⅰ 棚山波朗選 雨読集 …………………………… 同人作品Ⅱ 棚 …
自由時間 (84) 2020年6月号
2020年6月1日 自由時間
古今和歌集は60代醍醐天皇(在位:897~930)の詔により撰ばれた最初の勅撰和歌集である。古今集には、仮名で書かれた〈仮名序〉と漢文で書かれた〈真名序〉の二つの序文がある。仮名序を書いたのは紀貫之である。花に鳴く鶯や水に棲む蛙の声を聞けば、生きとし生けるもの、すべて歌を詠むと言える。力を入れずに天地を動かし、目に見えぬ鬼・神をも感じさせ、男女の仲をも和らげ、猛々しい武士の心をも慰めるのは、和歌である。
曾良を尋ねて(130) 2020年6月号
2020年6月1日 曾良を尋ねて
曾良がなぜ岩波庄左衛門正字として巡検使となりえたかは六代将軍家宣が出した「大赦令」によって松平忠輝の遺子であるとされる身分が復活され、このような公儀の官職に登用されたと考えられる。「大赦令」以前は本人には何の罪もないが先祖、藩主が罪人の汚名を着せられたなら生涯日陰の身分のままで過ごさねばならなかった。正に曾良や赤穂浪士の遺子たちがそうであったように。
古典に学ぶ (83)源氏物語2020年6月号
2020年6月1日 古典に学ぶ
日本最高峰の物語文学『源氏物語』世界を繙く ─ センセーショナルな物語のはじまり④ ─ 画期的な冒頭文に続き、「はじめより我はと思ひあがりたまへる御方々(かたがた)、めざましきものにおとしめそねみたまふ。」(宮仕えの初めから、我こそはと自負しておられた女御がたは、このお方を、目に余る者とさげすんだり憎んだりなさる)とある。
はいかい漫遊漫歩(136)(137)2020年6月号
2020年6月1日 はいかい漫遊漫歩
弁証法を定式化した哲学者ヘーゲル、ブルボン家の最後の王シャルル十世、森鴎外の歴史小説で知られる江戸末期の医師、考証家、書誌学者の渋江抽斎、東海道五十三次を描いた浮世絵師の歌川広重、徳川十三代将軍家定、「白鳥の湖」、交響曲第6番「悲愴」などの作曲家チャイコフスキーに共通の死亡原因は、コレラ。
韓の俳諧(16)2020年6月号
2020年6月1日 韓の俳諧
俳諧の大衆化に伴い、句合せが闘句に変化していった。俳諧鴨東新誌にも番付を着けた闘句が掲載され、朝鮮半島の俳人も応募した。闘句は、優劣がつけがたいと行事預かりもあった。
「俳句文法」入門 (16) 2020年6月号
2020年6月1日 俳句文法
シク活用の例語には、悪(あ)し・あやし・いみじ・いやし・美し・うれし・同じ・悲し・苦し・久し・よろし・をかし・惜(を)し等がある。じの言い切りに注意。 芭蕉の句「こそ恋しけれ」は係結びの法則を踏まえたもの。